インド、中国、ラオス、タイと国境を接し、日本の約1.8倍の広大な国土を持つミャンマー。国民の約9割が古来より仏教(上座部仏教)に深く帰依しており、宗派を象徴するお釈迦様の遺品を納めたパゴダが広大な高原に林立している光景は息を呑むほど美しく雄大です。
農業や鉱山業、観光業が盛んであり、特に翡翠やルビーといった宝石が採掘される鉱石業はミャンマーの経済発展に欠かせない重要な産業の一つです。
ミャンマーの歴史を語る上で外せない人物といえば『アウン=サン=スーチー』氏です。2020年現在ではミャンマーの国家顧問として、民主化後事実上の最高指導者として政治の舵を取っています。
ミャンマーに行くと無数のパゴダを目にします。パゴダは仏塔のことです。ミャンマーにとって仏教がどれほど大切なものなのか一目瞭然。どのようにミャンマーに仏教が浸透していったのか、ミャンマー仏教の歴史と魅力に迫ります。
ミャンマー国民の約90%が信仰しているといわれるミャンマー仏教。街を歩けば、無数のパゴダを目にします。 ミャンマーに仏教が伝わったのは5~6世紀といわれています。当時はピュー族がこの地を支配していました。ピュー族はスリランカで主流とされていた上座部仏教を学び、7~8世紀には日本でも信仰されている大乗仏教も信仰されるようになったと言われています。
上座部仏教とは、現存する最古の仏教宗派。大乗仏教も信仰されたミャンマーでは、当時アリー僧と呼ばれる人たちが強い影響力を持っていました。アリー僧は、大乗仏教に影響されており秘密を強く持った人たちです。
しばらくこの状態が続いたミャンマーですが、パガン王朝が全盛期の12世紀、支配下におさめていたモン族が信仰していた上座部仏教に改宗しました。改宗した当時はヒンドゥー教とかけ合わせたような上座部仏教だったといわれています。ここから一気に上座部仏教が広まりました。ミャンマーだけにとどまらず、東南アジアに広がるきっかけを作ったのです。